2026.03.29
アスベスト事前調査の義務化とは?2023年法改正のポイント
2023年10月より、建築物の解体・改修工事においてアスベスト事前調査の結果報告が完全義務化されました。アスベスト(石綿)は過去に耐火材・断熱材として広く使われていた物質ですが、吸い込むと中皮腫や肺がんなどの深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。
この記事では、法改正の背景から対象となる工事、調査の流れ、費用の目安まで、解体をお考えの方が知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。
アスベスト事前調査が義務化された背景
日本では1970年代〜90年代にかけて、アスベストを含む建材が大量に使用されました。現在、これらの建物が老朽化により解体時期を迎えており、今後2030年頃にかけてアスベスト含有建物の解体がピークを迎えるとされています。
解体作業でアスベストが飛散すると、作業員だけでなく近隣住民にも健康被害が及ぶおそれがあります。こうした背景から、大気汚染防止法の改正により、事前調査と結果報告が厳格化されました。
対象となる工事の範囲
アスベスト事前調査の報告義務がある工事は、以下のとおりです。
解体工事
解体する部分の床面積が合計80㎡以上の場合、事前調査の結果を都道府県等に報告する義務があります。住宅の全体解体であれば、ほぼすべてが対象となります。
改修・リフォーム工事
請負金額が税込100万円以上の改修工事も報告義務の対象です。内装のリフォームや設備の更新工事なども含まれるため、注意が必要です。
なお、報告義務の有無にかかわらず、すべての解体・改修工事で事前調査自体は必要です。「うちは古くないから大丈夫」と思っていても、2006年以前に着工した建物にはアスベスト含有の可能性があります。
事前調査の具体的な流れ
1. 書面調査
設計図書や建築確認申請書類をもとに、使用されている建材にアスベストが含まれているかを確認します。図面がない場合でも、築年数や建材の種類から推定することが可能です。
2. 現地調査(目視確認)
実際に建物を訪問し、天井材・壁材・床材・配管まわりの断熱材などを目視で確認します。書面調査と合わせて、アスベスト含有の可能性がある箇所を特定します。
3. 分析調査(必要な場合)
目視だけでは判断できない場合、建材のサンプルを採取して専門機関で分析を行います。結果が出るまでに通常1〜2週間程度かかります。
4. 結果報告・電子届出
調査結果は「石綿事前調査結果報告システム」を通じて、労働基準監督署と都道府県等に電子届出を行います。報告は工事開始の14日前までに完了させる必要があります。
事前調査の費用目安
アスベスト事前調査の費用は、建物の規模や構造によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
- 書面+現地調査:3〜6万円程度
- 分析調査(1検体あたり):2〜4万円程度
- 除去が必要な場合:数十万円〜(規模や含有量により大きく異なる)
調査費用は解体工事の見積もりに含まれている場合もありますので、事前に業者へ確認しましょう。
調査を怠るとどうなる?罰則について
事前調査を行わずに工事を進めた場合、大気汚染防止法に基づき罰則(懲役または罰金)が科される可能性があります。また、調査結果の虚偽報告も罰則の対象です。施主(発注者)にも「事前調査に協力する義務」があるため、業者任せにせず適切に対応しましょう。
リレーションシップのアスベスト対応
当社では、有資格者(石綿作業主任者・建築物石綿含有建材調査者)が事前調査から除去・届出まで一貫して対応いたします。調査だけのご依頼も承っておりますので、アスベストに関するご不安がある方はお気軽にご相談ください。